スギサキアイスは新発田の宝!90年の味を継いだ老舗を実食レポート

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新発田市で90年以上愛され続けてきた「スギサキアイス」。新発田っ子にとっては「人生で最初に食べたアイス」という人も多い、まさにご当地のソウルフードです。実はこのアイス、一度は姿を消しかけたことがあるのをご存じでしょうか。

今回イオン新発田店で、そのスギサキアイスがずらりと並ぶ冷凍ケースを発見しました。数えてみると15種類ほど。全部買って並べたい欲求と冷凍庫の物理的限界がぶつかった結果、今回は5種類に絞ってレポートします。

ちなみに調べたところ、スギサキアイスは地元の道の駅などでも取り扱いがあるようですが、スーパーで買えるのはおそらくここだけ。ご当地アイスがスーパーの冷凍ケースを丸ごと1区画を占拠している光景は、他ではなかなかお目にかかれません。

目次

スギサキアイスとは?90年の歴史と一度は消えかけた話

「スギサキ」という名前は、新発田市の商店街にあった「杉崎茶店」から来ています。店を営んでいた杉崎家が、ずっとこのアイスを作り続けてきました。

ルーツをたどると、まだ店舗を構える前、新発田で市(いち)が立つ日に先代がアイスを売っていたのが原型なのだとか。昭和初期に店を構えてからは、春は新茶、秋はさわし柿、冬は蒸気パン(ポッポ焼き)。季節ごとに扱う商品を入れ替えながら商店街で商いを続けてきたそうです。
今風に言えば「季節限定商品を回していくスタイル」ですが、当時はごく自然な商売の形だったのでしょう。

そんな中で看板商品になったのが、水と砂糖だけで作る「白アイス」。原材料表を読むより先に商品名で答えが出てしまう潔さです。素材を足していく方向とは真逆で、ふるさと納税の返礼品にも選ばれるほど地元に根づいていました。

ところが2023年3月、その杉崎茶店が閉店します。理由は後継者不在と従業員の高齢化。「営業許可が切れたら店を閉める」と、店主は数年前から周囲に話していたといいます。90年続いた新発田の味が、特に大きな騒ぎもなく終わろうとしていました。

「僕にやらせてください!」老舗和菓子店が受け継いだ

ここで手を挙げたのが、同じ新発田市で和菓子店「菓匠庵 寿堂」を営む4代目・鈴木健太郎さんでした。商工会議所でたまたま顔を合わせた際に「僕にやらせてください!」と直談判したそうです。
商工会議所での立ち話から90年の味が救われたわけで、人生どこに転機が転がっているか分かりません。

しかもこの寿堂、明治38年創業で120年以上続く老舗。90年の老舗を120年の老舗が引き取るという、新発田の底力を感じる構図です。承継にあたっては製法もパッケージデザインもそのまま引き継がれ、2023年5月には店内にイートインスペースもオープンしました。

スギサキアイスを承継した菓匠庵 寿堂の店舗外観(新潟県新発田市)

こちらがその菓匠庵 寿堂。白壁に描かれたあやめの絵と、堂々とした「寿堂」の墨文字。壁には「献上銘菓」の文字も見えます。
アイスの青いレトロなパッケージからは想像がつかない、正統派の和菓子店の佇まいです。この店構えの奥で、あのシャリシャリのアイスが作られていると思うと、なかなか味わい深いものがあります。

この話、実は買ってから調べて知りました。手に取った時点では「レトロなパッケージのご当地アイスだな」くらいの認識だったのですが、フタの製造者表示を見ると「菓匠庵 寿堂 鈴木健太郎 新潟県新発田市大手町4-1-16」
青いレトロなロゴは昔のまま、作り手だけが変わっている。パッケージを変えなかったのは懐古趣味ではなく、「変えない」という判断そのものだったのだと思います。

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イオン新発田店の売り場がすごい

冷凍食品コーナーを歩いていると、天井から「お客さまへ スギサキアイスはこちら ↓↓↓」という案内板がぶら下がっていました。赤字+青の下向き矢印3本という、なかなか押しの強い構成です。
普通の商品なら値札で済ませるところを、わざわざ天井から吊るして案内する。この時点で「ただのアイスではないな」という気配が漂っています。

イオン新発田店のスギサキアイス専用冷凍ケースと案内看板

ケースには「ご当地アイス(Regional Ice Cream)」の表示。1区画まるごとスギサキアイス専用です。棚に整然と積まれた白いカップと、袋入りの最中アイス。壮観でした。

冷凍ケースに並ぶスギサキアイス15種類と価格表示

値札を数えていくと、確認できただけでちょうど15種類。価格帯は最中の税込180円から、宇治金時クリームの税込497円までと幅があります。
全種類カゴに入れたい衝動と、冷凍庫の残り容量を天秤にかけた結果、今回は5種類で手を打ちました。

売り場で確認できた15種類

値札を1枚ずつ見ていくと、どうやら各フレーバーに「アイス(さっぱり系)」と「クリーム(濃厚系)」の2タイプが用意されているようです。せっかくなので、確認できた全商品を一覧にしました。

フレーバーアイス(本体/税込)クリーム(本体/税込)
最中167円/180円
ミルク276円/298円410円/442円
カルピス276円/298円410円/442円
イチゴ276円/298円410円/442円
金時276円/298円410円/442円
宇治276円/298円410円/442円
宇治金時326円/352円460円/497円
200円/216円
アイスクリーム(無地)324円/349円

「最中」「白」「アイスクリーム(無地)」の3つだけは対になるクリーム系がなく、単独商品のようでした。表にしてみると、なかなか計画的なラインナップです。

購入した5種類を紹介

今回購入したのは、最中アイス・アイスクリーム・イチゴクリーム・ミルクアイス・宇治金時クリームの5種類。
このうち実食レポートまで書けたのは①の最中アイスと④のミルクアイスの2種類です。残りは冷凍庫で出番を待っている状態なので、そちらは商品の中身と成分表示からの紹介になります。

①スギサキの最中アイス(税込180円)

スギサキの最中アイスのパッケージ

半透明の袋に青文字で「スギサキの冷菓」。今どきの派手なパッケージとは対極にある、潔いほどシンプルなデザインです。中身は最中の皮でアイスを挟んだ、昔ながらのスタイル。今回買った中では最安の税込180円でした。

食べてみると、最中の皮はしっとりタイプ。パリパリと砕けるのではなく、アイスの水分を含んでやわらかくなっています。中身はシャリシャリとした軽い口当たりと、素朴な甘さ

この味、多くの人が食べた瞬間に「あ、アイスクリンだ」と言うと思います。濃厚さで殴りにくる現代のアイスとは違って、後に残らないさっぱりした甘さ。
正直に言うと、5種類の中でいちばん満足度が高かったのがこの180円でした。値段と満足度が比例しないという、ご当地グルメあるあるです。

②スギサキのアイスクリーム(税込298円)

スギサキのアイスクリームの成分表示ラベル

今回の5種類で唯一、商品名に「スギサキの」が付いている一品。種類別は「ラクトアイス」、内容量120ml。
原材料は砂糖、生乳、卵と安定剤だけ。カタカナの添加物がずらりと並ぶ現代のアイスに慣れていると、逆に不安になるくらいの短さです。香料も着色料もなし。100gあたり126kcalと、見た目の濃厚さのわりに軽めでした。
フタに散った雪の結晶マークも、狙っていないレトロ感がいい味を出しています。

③イチゴクリーム(税込442円)

スギサキ イチゴクリームの成分表示ラベル

こちらは140mlと少し大きめ。半透明のフタ越しに、イチゴらしいピンクがうっすら透けて見えます。
ただし後で気づいたのですが、スギサキには「イチゴアイス」というほぼ同色の別商品も存在するので、色だけで判別しようとすると普通に間違えます。原材料は砂糖・生乳・卵に香料と赤色2号が加わり、100gあたり148kcal。
カップの中はきれいなピンクのグラデーション。「クリーム」と付く商品は税込442円で、今回の最高価格帯です。最中2個半ぶんと考えると、なかなかの強気設定。

④ミルクアイス(税込298円)

スギサキ ミルクアイス(氷菓)の成分表示ラベル

ここで注目したいのが種類別。他が「ラクトアイス」なのに対し、これだけ「氷菓」と表示されています。乳固形分が少ないため、アイスクリームではなく氷菓に分類されるというわけです。

熱量は100gあたりわずか41kcal。他が126〜161kcalなので、ひとつだけ別の階級に出ているような軽さです。
名前に「ミルク」と付いているのに5種類でいちばんあっさりしている、というのがなんとも人を食っています。

実際に食べてみると、予想どおりシャリシャリとしたシャーベットタイプでした。ただ、ただの氷菓かというとそうではなく、ミルクというより「練乳」に近い風味がしっかり乗っています。
甘いのにさっぱり、というちょっと不思議なバランス。数字上は41kcalでも、物足りなさはまったくありません。

買った時点では、記事の前半で触れた昔ながらの「白アイス」の系譜がこれだろうと勝手に思い込んでいたのですが、後で値札を見返したら「スギサキの白アイス」という商品がまったく別に存在していました(税込216円)。
つまり私の推測は見事に外れです。訂正してお詫びします。ミルクアイスはミルクアイスとして普通においしい一品でした。次回は本家「白アイス」も食べ比べて、答え合わせをしてきます。

⑤宇治金時クリーム(税込442円)

スギサキ 宇治金時クリームの成分表示ラベル

今回の5種類で唯一、原材料に小豆と抹茶が入っている一品。フタ越しに見える抹茶グリーンと小豆の層が、いかにも和菓子屋の仕事という佇まいです。
100gあたり161kcalと5種類で最も高カロリーですが、宇治金時にカロリーの心配をするのは野暮というもの。承継したのが和菓子店だったと知ってから見ると、このラインナップにも妙な説得力が出てきます。

商品の特徴

  • 新発田市で90年以上愛され続けるご当地アイス
  • 2023年3月に杉崎茶店が閉店するも、同市の老舗和菓子店「菓匠庵 寿堂」が事業承継して復活
  • 製法・パッケージデザインは当時のまま引き継がれている
  • 原材料は砂糖・生乳・卵が基本という、驚くほどシンプルな構成
  • ミルクアイスのみ種類別が「氷菓」で、100gあたり41kcalと非常に軽い
  • イオン新発田店では冷凍ケース1台をまるごと使って15種類前後を展開
  • 価格帯は税込180円(最中アイス)〜442円(クリーム系)

どこで買える?

今回はイオン新発田店で購入しました。地元の道の駅などでも取り扱いがあるようですが、スーパーで買えるのはおそらくここだけだと思います。もし他のスーパーでも見かけたという方がいらっしゃれば、ぜひ教えてください。

  • イオン新発田店(冷凍食品コーナーの専用ケース)
  • 菓匠庵 寿堂の店舗(イートインスペースあり)
  • 地元の道の駅など

県外の人はふるさと納税という手も

「新発田まで買いに行くのはさすがに遠い」という方に朗報です。スギサキアイスは新発田市のふるさと納税の返礼品になっています。

「スギサキの懐かしの白アイスセット 24個入」は寄附金額23,000円。中身はモナカ6個・イチゴ3個・宇治3個・金時3個・カルピス3個・ミルク3個・宇治金時3個という7種類の詰め合わせで、提供事業者はもちろん菓匠庵「寿堂」です。
今回私が5種類で妥協した横で、ふるさと納税を使えば7種類が一気に届く。冷凍庫の容量さえ確保できれば、こちらのほうが潔い買い方かもしれません。

購入場所イオン新発田店
値段最中アイス 税込180円
ミルクアイス・アイスクリーム 税込298円
クリーム系 税込442円
製造者菓匠庵 寿堂 鈴木健太郎
新潟県新発田市大手町4-1-16

まとめ / 個人的な感想

正直に言うと、買う前は「レトロなパッケージのご当地アイス」くらいの認識でした。ところが調べてみたら、一度は閉店した90年の味を同じ町の120年の老舗が引き継いでいたという、なかなか濃い背景が出てきました。
スーパーの冷凍ケースの前で「どれにしようかな」と眺めていたあの時間の裏側に、そんな物語があったとは。おかげでフタを開ける前から、やたら神妙な気持ちにさせられました。

肝心の味はというと、5種類に共通していたのは「素朴でさっぱり」という方向性。濃厚さやコクで勝負する現代のアイスとは、完全に別のジャンルです。
そして意外だったのが、いちばん印象に残ったのが最安の最中アイス(税込180円)だったこと。442円のクリーム系を差し置いての結果に、自分でも少し笑ってしまいました。

おすすめポイント

  • 「昔ながらのアイスクリン」そのものの素朴な味。濃厚系に疲れた口にちょうどいい。
  • 原材料がシンプルで、素材の味がまっすぐ伝わってくる。
  • 最中アイスは税込180円という価格ながら、5種類でいちばん満足度が高かった。
  • 15種類前後という品揃えで、冷凍ケースの前で選ぶ時間そのものが楽しい。
  • 90年続く味を引き継いだストーリーごと味わえる、新発田ならではの一品。

おすすめできないポイント

  • スーパーで買えるのはイオン新発田店くらいなので、県内でも地域によっては入手しづらい。
  • クリーム系は税込442円と、普段使いのアイスとしてはやや高め。

次はイートインのある寿堂さんにも行ってみたいです。

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