南蛮えび

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南蛮えびって何者?

名前は強そう、赤い宝石の正体

新潟のスーパーで鮮魚コーナーを歩いていると、
少し物騒な名前のえびに出会います。

南蛮えび」(なんばんえび)

辛そうですが、まったく辛くありません。
実はこの南蛮えび、全国的に言うところの 甘えび と同じ種類のえびです。

新潟県外の人が言います。
「これ、甘えびですよね?」
新潟の人は、少し間を置いてから答えます。
「……南蛮えびですね」

新潟の冬は、鉛色の空と白い雪の世界。
そんな中でスーパーや居酒屋のカウンターに並ぶ「南蛮えび」の鮮烈な赤色は、見るだけで心が躍る特別な存在。

新潟のお土産として選ばれる事も多い「南蛮えび煎餅」も美味しいですが、南蛮えび自体をもっと知って味わって欲しいのです。


名前の由来

諸説ありますが、色と形が赤唐辛子(南蛮)に似ていることから「南蛮えび」と呼ばれている説。
「たぶんそうなんだろうな」という空気感。

美味しさの旬

7~8月の禁漁期以外は一年中漁獲されますが、水温が低くなる11月〜2月頃の冬が特に身が引き締まって美味しい季節。

新潟の南蛮えびの漁場は水深200~600mの深海。
日帰り操業や徹底した鮮度管理により、強い赤色の高鮮度な状態で店頭に並びます。

スーパーで購入した商品の紹介

鮮魚コーナーで売られています。

サイズで大、中、小に分けられ、スーパーでは中、小サイズがお手頃価格で売られている事が多いです。

南蛮えび(佐渡産)

ウオロク 緑店
  100グラムあたり
  税別 398円
 

透き通るような赤い殻、は見た目も美しい。

このサイズのパックで約15匹入ってました。

今回は2パック購入。

中サイズが多いですが、小サイズが少し混じっています。

ヒスイ色に輝く卵

南蛮えびは、生まれた時はすべてオスで、体が大きくなる4〜6年目頃にメスに変わる。

産卵期は多くのえびが抱卵していますが、今回は1匹のみ。

鮮やかなヒスイ色(エメラルドグリーン)が美しく、通称「ヒスイ子(ひすいご)」と呼ばれ新鮮なえびならではの特別な味わい。

卵を少量の酒(日本酒)と醤油に漬け込み、刺身の身と優しく和えると通常とは比べ物にならないほど濃厚な味わい。

新鮮な「プリプリ」と熟成の「トロトロ」

南蛮えびは、獲れたての「新鮮モード」と、少し寝かせた「熟成モード」で性格(味と食感)がガラッと変わる二重人格のえびです。

  • 新鮮モード「プリプリ・あっさり・クリア」
     市場や漁港の近くで食べられる、水揚げ直後の状態。
     甘みはありますが、どちらかというと「清らかな甘さ」
     海水の塩気やえび本来の風味がダイレクトに伝わってきます。
  • 熟成モード「ねっとり・濃厚・トロトロ」
     獲れたて時の緊張が緩み、身のタンパク質が分解されてアミノ酸(=旨味成分)に変わり、身がやや乳白色に変化します。
     口に入れると高級プリンのように舌の上で溶けていきます。
     通常、我々がスーパーで出会うのはこちら。

いざ、実食

お刺身

まずは王道。
冷たい日本海で育った身は、口に入れた瞬間に体温でとろけ出し、濃厚な甘みに変わります。

海鮮丼


お店では高価で注文するのに躊躇しちゃいます。

そんな南蛮えびの海鮮丼も自宅で簡単に実現できちゃいます。

今回は卵(ヒスイ子)をトッピング。

わさび醤油を少しかけて豪快に食べれば至福の時間。

味噌汁

頭、捨ててませんか?
殻や頭を水から煮出すだけで、驚くほど良い出汁が出ます。
(殻は不織布のお茶のパックに入れると後から取り出しやすいです)

今回は村杉温泉の川上とうふと一緒に。
(゚Д゚)ウマー

から揚げ

新鮮な南蛮えびを油で揚げる事に罪悪感はありますが、それを上回るほどの美味しさ。

それでも罪悪感がある人は「頭」だけ揚げてもOK。

脳内で何かが飛び散るほどの衝撃が走ります。

小さめサイズが食べやすい
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商品の特徴

  • 冬が旬の日本海の赤い宝石
  • とろとろの身と上質な甘さが格別
  • どこも捨てるところのない食材
  • 低カロリー高タンパク
  • 冷凍もあるが、生を味わってほしい
購入日2025/12/20
購入場所ウオロク 緑店
値段100グラム
 税別 398円
提供者新潟県内の漁師さん

どこで買える?

  • 新潟県内スーパー
  • 新潟県外の一部スーパー
  • 新潟県内外の一部の鮮魚店
  • ネット通販
  • ふるさと納税

いつでも南蛮えびを味わいたい方には

個人的な感想

おすすめポイント

  • 食感と甘味、うま味が融合し味覚のドーピング
  • 見た目でビビって食べない人は、口の中の幸せをひとつ損する。
  • 南蛮えびの濃厚な甘さと、新潟のキレのある日本酒は相性抜群。
  • 1パックで晩酌のすべてが完結する、南蛮えびの高コストパフォーマンス性。

おすすめできないポイント

  • 見慣れないと卵のエメラルドグリーンや目の大きさが苦手な人にはちょっとホラー。
  • 殻むきや頭の処理が地味に手間(その代わり味噌汁の旨みは反則級)
  • 新潟に来て食べる「生」の美味しさは格別ですが、お土産で買って帰る場合、鮮度管理に神経を使う。(数日熟成するとアミノ酸が増えてトロトロの食感になりそれはそれでアリ)

活きた姿がみたい人は新潟市水族館などで見る事ができますが、食材としての展示ではないため、「ホッコクアカエビ」と表記されている事が多いです。
でも、多くの県民は食材として見てしまいます。

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