「やきなす」は焼いてない?豊栄特産の巨大なす実食レポート



「やきなす」という名前の茄子があることは、実は以前から知っていました。新潟市北区・豊栄地区で栽培されている門外不出の地場品種で、名前だけ聞くと「もう焼いてあるお総菜」のように誤解してしまいそうですが、実際に売られているのは生の状態の巨大な茄子なのだとか。名前と実態のギャップに、心の中でひとりツッコミを入れつつ、そろそろ旬を迎える時期だろうと思い立って、産直市場「とよさかげんき村」まで足を運んでみました。

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「やきなす」の正体は品種名だった

店頭に掲げられていたPOPには、こう書かれていました。

新潟県は茄子の作付面積、消費量ともにだんとつの全国一。なかでもここ旧豊栄地区は、門外不出とされた幻の大茄子「やきなす」をはじめ、様々な品種の茄子が栽培されている日本一の茄子の里として知られる名産地です。

実際に店頭のPOPにもそう明記されていて、改めて納得です。旧豊栄地区で古くから栽培されてきた門外不出の大茄子――そんな由緒ある茄子が、まさかこんなに気軽に地元の直売所で買えるとは、うれしい驚きでした。「幻」を名乗るわりに、レジ横の野菜コーナーで堂々と売られているあたり、良い意味で肩の力が抜けています。

やきなすの紹介POP「げんき村の地場産野菜 とよさか特産 やきなす」
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やきなすの基礎知識

せっかくなので、「やきなす」についてもう少し詳しく調べてみました。

  • 昭和30年代、地元で採れていた「鉛筆なす」の中でも特に大きく育った実だけを選び、自家採種を重ねて生まれた品種
  • 栽培されているのは新潟市北区木崎地区のみで、地元で採った種をまいて育てる正真正銘の門外不出品種
  • 旬は5月下旬〜10月上旬。なかでも実に種が入っていない5月下旬〜7月中旬ごろが一番おいしいとされる
  • 大きいものは長さ約30cm、重さ約300gにもなる規格外サイズ(今回購入した個体は、それを上回るサイズでした)
  • 栽培しているのはわずか数軒の農家で、栽培面積は約2haという希少な品種

「焼いて食べたらおいしかったから“やきなす”」というシンプルな命名の由来を知ると、なんだか一層親しみが湧いてきます。ネーミングセンスに関しては、かなり直球勝負の農家魂を感じました。

ちなみに「作付面積・消費量はトップクラスなのに、出荷量はそれほどでもない」というこの構図、実は新潟の枝豆にも見られる傾向です。
新潟県は枝豆の作付面積が16年連続日本一、消費量も全国1位を誇る一方で、出荷量は全国8位にとどまります。理由はやきなすと同じで、地元の人がその場でどんどん食べてしまうから。
やきなすも枝豆も、“地元で愛されすぎて外に出回らない”新潟らしい農産物と言えそうです(新潟産えだまめの記事くろさき茶豆の記事もあわせてどうぞ)。

パッケージ・外観

売り場には黒々とツヤのある大きな茄子がずらりと並んでいました。1本1本に生産者の顔写真付きシールが貼られていて、なんとも心強い商品説明です。もし美味しくなかったら生産者さんに直接文句を言えそうな安心感があります(もちろん、そんな出番はありませんでした)。

産直とよさかげんき村の売り場に並ぶやきなす

気になる大きさを実際にメジャーで測ってみたところ、約30cm。一般的なナスの倍近いサイズで、見た目のインパクトも抜群です。

メジャーで測ったやきなすの大きさ、約30cm

価格:1本 税込220円
購入日:2026年7月10日
購入場所:産直とよさかげんき村(新潟市北区)

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